僕たちは自分がどうしても手に出来なかったものを、子供たちに託す。

期待

期待


わたし、子供の頃、ピアニストなりたかったの・・・
ぼくは、学校の先生になることが夢だった・・・


自分の人生で実現出来なかった夢。
そんな叶えられなかった自分の夢を、僕たちは自分の子供たちに託している事がある。

それは決して悪い事だと言う事ではない。
ただ、その夢が自分ではどうしようもない環境や状況で叶えられなかったとしたら、
心の中には悔しさや悲しさも… そして少し強い思いで託してしまっている時がある。

その強い思いのことをカウンセリングでは『期待』と言う。

それでも、『期待』を持つことがいけない事です。と言いいたいわけではない。
ただ、自分が子供だった時の気持ちを少し思い出して欲しい。

子供は親の気持ちをいつも、敏感に感じている。
お父さんの夢、お母さんの夢が、いつしか自分の夢になった。であればいいのだけれど、
お父さんの悔しさを晴らしたい。お母さんの夢を叶えてあげたい。という思いのままだとどこか少ししんどい。

僕たちも、子供たちも、全ての子が金メダルを取れるわけではない。
彼らの夢を叶えられなかったと思った時、心のどこかにこんな気持ちを感じてしまう。

『自分は親の思いを叶えてあげられなかったダメなヤツ・・・』



期待を手放すとは、
自分が相手に『期待』を向けているんだな。と気付くだけでいい。
自分の夢とその子が求めている夢は違うんだと言うことに気付く。それだけででいいのです。


幸せという『期待』


今年、うちの子は大学受験。彼なりに一生懸命勉強している。

僕も、進学する事はどうしても応援してあげたいと思う。
進学した先に『こうなって欲しい』という気持ちからではなく、
彼が学生生活と言う時間を、恋に、遊びに、友人との時間に、思いっきり楽しんで欲しい。
そこでたくさんのことを経験し学んで欲しい。そんな思いから。

だから僕はあまり子供に期待を押し付けないでいる親だと思っていた。
でも、この前自分のその思いも実は『期待』だったんだなって事にふと気付いた。




幸せという『期待』

僕たちは、自分が叶えられなかった夢だけではなく、
自分が手に出来なかった幸せや時間、もの、全てを子供に与え、また託そうとしてしまう。

何度も書いてくどいようだが、もちろんその思いがいけない事ではない。

子供の頃、家の中が平和で無かったなら、何よりも喧嘩のない家庭を。
子供の頃、お金が無くて苦労したなら、何よりもお金を。
子供の頃、寂しいかったのなら、無理をしても子供との時間を。



そして今・・・


本当は、寂しくて潰れそうなのはあなたなのに。
本当は、悲しくて誰かにすがりたいのはあなたなのに。
本当は、もう一度誰かと愛し合いたいのはあなたなのに。
本当は、幸せになりたいのはあなたなのに。


子供が同じ苦しさを経験しないでいいようにと・・・
子供が自分が手に出来なかった幸せを持てるようにと・・・
それは決していけない事ではないのだけれど、



でも・・・


もう一度、その夢を、あなた自身に託してみることは出来ないだろうか?
もう一度、自分が幸せになることを許してあげられないだろうか。

なぜって、あなたが想うのと同じくらい、

あなたの目の前の子供たちは、
あなたが幸せになることを想っているのだから。

あなたの幸せ

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【プロフィール】 
吉 原 直 人 心理カウンセラー
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。

●吉原の詳しいプロフィールはこちら>>よしはらなおと

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