このコーナーでは、カウンセリングを受けて頂いている方々へ、
カウンセリングで使っている言葉の説明や、その取り組みのプロセス。
また、僕が日々気付いた事などを中心にお伝えしていきたいと思っております。
日々の生活でのヒントや皆様の心のケアに役立てて頂ければ幸いです。


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「 過去の痛み 」


さて「 過去の痛み 」とはどんなことでしょう?


心理学で言う「 トラウマ 」などもそうです。
過去のすごく辛い経験や、悲しい経験、二度と思い出したくない悲惨な経験・・・
このような経験が、心の傷となり現在の人生に問題を引き起こす。
カウンセリングではこう言った 心の傷 を時間をかけて慎重に癒していきます。


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しかしこう言った「 心の傷 」は、
特別な経験をした特別な人だけが、持っているものでもありません。
多かれ少なかれ全ての人に、あるものだと思います。


そして「 過去の痛み 」が今の人生の問題に影響していることも多いのです。


例えば、

恋愛がしたいのに、中々相手が見つからない。
いつも同じ様なパターンで恋人と別れてしまう。
苦しい恋愛ばかりしてしまう。

夫婦の関係が冷めてしまった。
パートナーが浮気を繰り返す。
私の方が浮気に走ってしまう。

仕事がうまくいかない。
成功したいのに中々できない。 などなど


このような問題にも、過去の痛みと関係があり、
それを癒して行くことで、問題が良くなっていきます。


ただ「 過去の痛み 」と言うと、
今の現実とは、すぐにつながりを見つけることが出来なかったり、
また、辛い経験や感情は普段は抑圧していますので、
自分には関係ないことの様に思っていることがほとんどだと思います。


数回のカウンセリングで「そういえば・・・」と、
気がつかれる方もいらっしゃいますし、
強く抑圧されていて中々顕在意識に上がって来ない場合もあります。


そんな時、自分の心の反応に目を向けて見る事から始めます。


カウンセリングの途中で、無意識に話がそれてしまったり、
何か、嫌な感じを感じたり、イライラ怒りを感じたりします。


心理学で言う「抵抗」とか「反発」という反応です。


失恋した直後に、恋愛ドラマなんか見たくない。
なんて心理は、誰しも経験ありますよね。

また、小さい頃に父親と離れて寂しい想いを続けた女性が、
父と娘の愛情物語とか言うドラマをTVでやっていれば、
無意識にチャンネルを変えてしまうかも知れません。


心がその問題に触れることを嫌がります。
急に話をそらしたくなったり、別の話をしたくなったり・・・


これも特別なことでは無く、いたって自然な心の反応なのです。


ただ、そんな自分の無意識な行動や反応に目を向けると、
心の中に閉じ込めている痛みに気が付くことが出来ます。


そして、今の人間関係の問題に、
その心の中に押し込められた「痛み」が影響している事が多いのです。


・・過去の痛み


僕達はその頃 

かぎりなく 純粋 でした

毎日 お父さんやお母さんに

愛される事だけを願ってました

お父さんに誉めてもらいたい

お母さんに抱きしめてもらいたい

それだけが僕達の唯一の願いだった頃のこと

今 僕の息子がちょうどそんな頃かも知れません

彼には 仕事をしているお父さん と 

普段のお父さん の区別がまだつきません

どんな お父さん を見ても
 
絵本やおもちゃを持って満面の笑みで駆け寄って来ます

彼は お父さんと遊ぶのが大好きです

どんな時でもお父さんを見つけると「一緒に遊ぼっ!」

って駆け寄って来ます・・

時には そんな彼が叱られることもあります

 
父と母が言い争っているとき

彼は しきりに何か騒ぎ始めます

自分に意識を向けさそうと・・

そして彼はいつも

お父さんやお母さんの気持ちに 敏感 です

お父さんが悩んでいるとき・・
お母さんが疲れているとき・・

彼は いつもよりたくさんのおもちゃを持ってきます

そしていつもより大きな声で 父や母を呼びます

時には そんな彼の気持ちに気がつかない事さえあるのです

彼は毎日そんな父や母と過すうち

色んなことを 学習 してしまいます

パソコンに向かってる父には近づいちゃいけない

母が忙しいときは 一人で遊んでいよう

ただ お母さんが好きだから・・・
ただ お父さんが好きだから・・・

 
そして そんな時代に 大人たちにも色んな苦しみがあったのです

仕事で行き詰ることも 夫婦がうまくいかない時も

お金の問題を抱える時 拭えない不安で満たされる時も

 
悲しい顔をしている母を 苦しみ続ける父を

子供達は 子供達の力で精一杯守ろうとしていたのです

自分の感情を押し殺し 自分の思いをずっと我慢して

ただ お父さんが大好きだから・・・

ただ お母さんを守りたいから・・・

 
そして時折 子供達は 父と母の苦しみを自分のせいだと感じました

そして時折 子供達は 父と母の苦しみを拭えない自分を責めました

そして時折 子供達は 自分がいない方がいいと思いました

ただ お父さんが大好きだから・・・

ただ お母さんを守りたいから・・・

僕にも あなたにも こんな時代があったのです。

過去の痛み。

それは、そんな時代に、 

純粋な僕達の心が経験した愛のドラマだったのです。


今もう一度その頃の僕達を優しく迎い入れて、
その「痛み」という誤解を解いていきましょう。




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