僕の家には、一才三ヶ月の男の子がいます。
この一年の彼の”成長”はすごいです。
一年前は、まだ小さな座布団の上に置かれて、
「フンギャ~ラ フンギャ~ラ」って泣いてるだけ。
それが、今ではばんざいをしながら家のあらゆる所を走り回っています。
ぶつかり・・ こけて・・ 泣いて・・ また立ち上がり・・・
思い返せば、ある日寝返りをして、
ずりばいして・・ ハイハイして・・ つかまり立ちして・・ そしてたっちぽん!
それで今では、歩き回っているのですから、
人間としての、彼のこの一年の成長ってすごいものだと思いませんか?
この前そんな彼を見ていてふと思ったんです。
ひとつひとつの ”成長”
彼は、練習して、学んで、実行して、そんな風にして来たわけじゃないんですよね。
ただ、お母さんを追いかけて。
ただ、机の上に置かれてる物が欲しくて。
ただ、棚の上の僕のラジコンを触って見たくて。
「俺も”歩く事”を一生懸命練習して、あのおやじのラジコンをいじりまくったんねん」
なんて考えていたわけじゃ無かったんです。きっと(笑)
「今、どうしても”あれ”を触りたい」 ただそんな気持ちですよね。
もちろん、何回も何回もこけて、机で頭を打って、それでも触りたくて、どうしても触りたくて。
そのうち 立ち上がれてる! そのうち 歩けている!!
それが彼のこの一年の成長をもたらしたのです。
大人になった僕達は時々 逆 になっているんですよね。
「俺ががんばって こうなったら 家族を幸せに出来る」
「俺ががんばって こうなったら こんな事してみよう」
「俺ががんばって こうなれたら 幸せになれる」
だけどそれってやっぱり 逆 なんだろうなあ って。
今 大好きな家族 ともっと幸せになりたいから・・・
今 愛するこの女性を 守りたいから・・・
今 これをする事が 楽しくて仕方ないから・・・
今 どうしても 幸せになりたいから・・・
そうしてもがいている時、”成長”が訪れるんです。
そしてある日、一年前の自分を振り返ったとき。
小さな赤ん坊に負けないくらい”成長”している自分に気付くのです。
ただ単純に今見えてる幸せを本気で追いかけ時。
僕達は自然に”成長”していくものなのです。
そんな事に思いふせながら、PCに向かう僕の背後には、
やっぱり、彼がばんざいしながら忍び寄ってきます・・・
「これはお父さんの”大事”やから触ったらあかんって言ってるでしょっ!!」
2004/11