大切な人を、信じたいのに信じられない時ってあります。



相手が、どこかで自分を裏切る様な事をするのではないか。

いつか自分の元から離れていくのではないか。

もうすでに自分に対する気持ちが失せてしまっているのではないか。



不安な時にいろいろ考え出したらきりがありません。

不安が膨らみ過ぎて、相手にぶつけてしまう事もあるでしょう。



恋愛が始まったばかりの時なら別ですが、

大抵の場合は、不安を相手が拭ってくれる事はなく、

喧嘩になったり、重たい雰囲気になってしまいます。



不安を相手にぶつけても解決しない。と気付けている時はどうでしょう?

僕たちは怖れている事が起こった時のための準備をし始めます。



裏切られた事を想像して見て、先に痛みや苦しみを味わう。

出来るだけ相手に頼らない生活を試みる。

相手に対する好きという気持ちを手放す努力をする。



こうしてあらためて文章に書き出すと少し笑けて来ますが、

不安や怖れに襲われた時、僕たちは必死で自分を守ろうとします。



そうです、信じられない時って、

どこかで自分を守ろうという心理が働いているのですね。



『もう傷つかないでいいように』



何度も傷ついて痛い目にあったから、心は『防衛』しているわけです。

何度も傷ついてと書きましたが、その相手とは、

今信じられないと感じているその人の場合もありますし、

その人ではなく、過去の恋愛での経験もあります。

また、小さい頃に愛して欲しいと感じた人との関係もあるかも知れません。



* *



少しカウンセリングで扱う様な話をすると、

僕たちの心には時間の概念がありません。



過去の恋愛や小さい頃に傷ついた経験や痛みを、

心の中に仕舞い込んでいると、

今愛されたいと感じる相手に対して、

過去の感情も上乗せして感じてしまいます。



例えば、



①今の相手に対して感じている不安

+ ②過去の不安

+ ③もっと過去の不安 となってしまうのです。



① の今の相手に対して感じている不安だけなら、

「好きだから不安になってしまうのは仕方ないけれど、

 本当に相手のことを愛しているなら信じてあげようよ」

という言葉で不安を拭う事が出来るでしょう。



でも3つも不安が重なっていると、頭ではそう理解は出来ても、

自分では手におえないほど不安が大きくなっているのです。

その様に不安が大きくなり過ぎている場合は、

過去の痛みを癒していく事で不安を軽減させていきます。



* *



少し話がそれましたが、信じられないという心理には、

もう傷つきたくないという自分を守ろうと言う心理が入り混じっています。



ではどうすれば、信じたいのに信じられない。もしくは疑ってしまう。

と言うジレンマから抜け出す事が出来るのでしょう。



まず一つ目は、先ほど少し触れましたが、

自分が傷つく事を怖れる気持よりも、

相手を信じようとする気持を大きく出来れば素晴らしいです。



『信じる』という言葉を考えた時、

この文章の中で使っている意味には、

自分を傷つけない存在かどうかというニュアンスが、

もともと含まれている様に思います。



自分のこうあって欲しいという期待が入っているのですね。

僕は、本来の言葉の意味とは少し違うかも知れないけれど、

『信じる』と『信頼する』と言葉を使い分けています。



『信じる』とは自分が傷つくかどうか”自分”が主体になりますが、

『信頼する』は”相手”が人を傷つける様な存在なのかそうではないのか、

と言う”相手”の方に主体がある様に僕は感じています。



傷つくというのは、こちらサイドの問題ですよね。

相手が異性と楽しく話をしている場面を見て、

傷つくかどうかはこちら側の心理状態によります。



だから自分が傷つくかどうかではなく、

相手の人となりや存在を『信頼』しようとするかどうかという事です。



少し理屈っぽい説明になりましたが、

愛とは本来傷つく可能性を含めていない。という事なのでしょう。



ただ自分が傷つく事を怖れずに愛する。



それは素晴らしい事ではありますが、

なかなかその境地に達するのは難しいと感じる時もあります。



そんな時は信じる対象を”相手”ではなく、

”自分”にする事を提案します。



相手がどんな存在であったとしても、

その相手を選んだ”自分”であったり、

その人を選んだ”自分の人生”であったり、

どんな状況を経験したとしても、

そこから幸せへと向かう”自分の力”を信頼するという事です。



もしかしたら傷つく事があるかも知れないけれど、

そこから何かを学びそれでもまた、

誰かを愛そうとする自分を、

自分の力を、

信頼しようとする事だと思います。



信じたいのに信じられない時、

相手なのか自分なのか、どちらの方を信頼しようとする時も、


『信じる』とは信じられる状況から感じられる心境ではなく、

『信じる』と決めた時に得られる心の状態なのだと思う。

『信じる』とは僕たち誰もが持っている『心の力』なのだと思う。




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