信頼できないとき
『信頼』という言葉で、心がすごく落ち着いたり、安定したりすることがあります。
良くなっていくことを信頼しよう。
今、起こっていることに信頼を向けよう。
そんな言葉を誰かに伝えてもらったり、何かの文章の中で見つけると、
心の中に抱えている不安や怖れがやわらぎ、すっと自分を取り戻せることがあります。
『信頼』はとても優しく、僕たちを安心させ、そして心をポジティブな方向へ向き直さてくれます。
自分を信頼する。
人生を信頼する。
直観を信頼する。
宇宙を信頼する。
神様を信頼する。
でも時々、
誰かほかの人に『信頼を向けよう』とか、その人を『信頼してあげよう』など、
自分以外の人を信頼しなさいというメッセージを受け取った時、
それがとても難しいと感じる時があります。
愛する人を、同僚を、部下を、友人を、知人を。
もちろん人を信頼することはその人との関係で最も基本的なことです。
でも、もし自分の心が信用できない”何か”を感じているとしたら?
例えば、浮気、裏切り、嘘、その人の想い、考え、など。
その何かを感じている自分のことは信頼しないでいいのか?
無視して知らないふりをすることで大丈夫なのか?
すると心は、
ある時は、自分の感じているものに独占されたり、またある時は、
信用したい信用しなくちゃいけないという真逆の思いを、行ったり来たりしてしまいます。
そんな時、一体どうしたら良いのでしょう?
まず自分の”感じているのもの”の方に信頼を置くことです。
それが真実かどうかは置いておいて、
自分の感じているものを無視しても無くなりはしませんし、
自分を信頼することが出来てはじめて、周りにもそれを向けることが出来るのです。
ただその上で、自分の感じ方というものに少々”癖”があると言うことにも目を向けておきます。
過去に傷ついた経験など持ったままでいると、心は少し防衛的な目で外の世界を見てしまいます。
自分に対しての思い込み(愛されないとか大切にされない)も物事を見る目のフィルターとなります。
また少し言葉の解釈が難しいですが、心の中に”期待”があっても、感じ方に影響を与えます。
※期待:「こうあってほしい」とか「こうなりたい」と言うポジティブな期待もありますが、
「きっとこうなってしまうだろう」というネガティブな意味でも使っています。
自分の感じ方に”癖”があると言うことを知っておくだけでいいと思います。
だからと言って自分が感じていることを間違いだと思う必要はないです。
もし感じ方の”癖”について少し変えたいなと思う方がおられたら、
それはカウンセリングでクリアーにしていくことが出来ます。
* *
さて、自分の感じているものに信頼を置いたら、
次に、ではどうしたら相手に信頼を向けることが出来るのでしょう。
ここで『信頼』についてもう少し考えて見たいと思います。
信頼とは僕たちの”心が持つ力”なのだと思うのです。
それはその対象が、自分を傷つけない。から感じる感情なのではなく、
積極的にその対象に向けることの出来る”心が持っている力”なのだと思います。
自分が、人生が、こころが感じたものが、宇宙が、神様が、
信頼に値するものだと実証されたから感じる感情なのではなくて、
自分を、人生を、直感を、宇宙を、神様を、
信頼しようとすること、信頼を向けようとする心の選択なのだと思うのです。
そこで僕たちが得られるのは”裏切らない宇宙”なのではなくて、
何かに信頼を向けた時の”こころの状態”なのです。
その”こころの状態”が僕たちを前に進めたり、飛躍させたり、幸せに向かえたりするのではないだろうか?
そしてもちろん、信頼を向けた”心の力”はその対象にも伝わって行くのでしょう。
『信頼』は自分以外の人やものから与えられる感情なのではなくて、
積極的に自分の心が創り出す『心の力』なのです。
そう、だから今、
あなたが信頼向けたい、信頼したいと思うその人に、
信頼という心の力を向けてください。
ただ・・・
あなたの放った心の力を、相手がどう受け止めるかまではこちらでどうすることも出来ない。
でも・・・
疑って相手を傷つけるよりは、
信頼してこちらが傷つく方が、よっぽど『 かっこいい 』!!
すべてを受け止めて、今、信頼を贈って見てください。
その恩恵を受け取るのはきっと”あなたの心”です。