『怒り』という感情


怒りと言う感情を苦手とする人は結構多いです。
もちろん誰もが”好きな感情”ではありません。


ただ心の中にある感情を無視したり抑圧したままだと、
感情は心にそのまま蓄積されて行きます。


感情とは、自然に心の中に生まれるエネルギーなのです。
きちんと受け止めれば解放され癒されて行きます。


怒りが苦手と言う人の中には、
自分が怒りを感じるような人間ではありたくないと感じている事があります。


子供の頃、身近に怒りっぽい人がいたり、またいつも感情的な人がいて、
その人との関係で傷ついた経験を持ったとすると、
自分は決して”あんな人間にはなりたくない”と思いが生まれるでしょう。


カウンセリングでは、禁止という言葉を用いますが、
心の中で何かを感じることを禁止すると、必然的にその感情を抑圧してしまいます。


すると心はいつも不安定だったり、常に”何かしんどい”状態になってしまいます。
怒りを感じているのに無視し続けると、そのエネルギーはいつかは爆発するか、
もしくは自分に対して攻撃してしまう様になってしまいます。


まずは、怒りという感情を知る事から始めて見ましょう。

怒りって悪なの?


怒る事を禁止している人は、
自分が怒っている事を中々認める事が出来ません。
それは怒りが邪悪なものだと思い込んでいるからです。


もちろん怒りという感情を人にぶつけて、誰かを傷つける事はいけない事です。
だけど、今の人間社会や、様々な人間関係の中を生きている限り、
怒りを感じる事無く生きる事は、かなり難しい事では無いでしょうか?


不当な扱いを受けたり、大きな悲しみを経験したり、
また、世の中に起こる事件や社会の歪を目にしたら、
誰でも怒りを感じる事があるのではないでしょうか。


まず私たちは、怒りだけでなく心に生まれる”感情”について、
大きな誤解をしている事があります。


私たちは子供の頃から、大人になるために様々な躾や教育を受けて来ました。
子供の頃におもちゃ屋さんで、だだをこねて叱られた経験は誰もが持っています。


でも少しよく考えてみてください。
あの時叱られたのは、欲しいものが欲しいと言う感情が悪いからだったのでしょうか?
どうしても欲しいものが手に入らない時に感じる悲しみがいけなかったのでしょうか?


違いますよね。


あの時学ばなければいけなかったのは、感情の表現方法だったのです。



大人になって、職場で自分がどうしてもやりたかった仕事を同僚に取られた時、
子供がおもちゃ屋さんで寝っ転がって泣き叫ぶ様な表現をしては、
社会や会社で通用しないよって言う事だったのです。


欲しいものがどうしても欲しいという感情が間違っていたり、
自分のものに出来なくて悲しかったり悔しかったりする感情が間違っているなら、
この世にたった一人も、成功者と呼ばれる人は存在しないでしょう。


あの時学ぶべきだったのは、その時感じた感情を、
どう表現するかを学びなさいと言う事だったのです。
決して私たちが心に感じる”感情”が間違っていたりみっともなかったりはしないのです。


”怒り”と言う感情も、決して”感じていけないもの”では無いのです。


少しこんなお話をして見ましょう。

世の中には怒りという感情を人や命を救うために使っている人たちがたくさんいます。

燃え盛る炎の中に取り残された子供を、どんな人間が穏やかで安らかな気持ちで、
自分の命をかえりみず炎の中に飛び込んでいけるのでしょう?

不運な運命や災害から立ち上がる時も怒りと言うエネルギーが必ず必要です。

僕たちカウンセラーも時には怒りを使って人を癒します。

また、スポーツの世界に生きている人たちも怒りエネルギーを使っているでしょう。

映画の中に出てくるヒーローも必ず怒りのエネルギーで何かを成し遂げます。

”怒り”とは悪ではないのです。

生きている人間の心に生まれるひとつの”エネルギー”なのです。

怒りは心の中でどんな役割をしているの??


では、心の中の仕組みとして怒りとはどんな役割を持っているのでしょう?


カウンセリングで心に向き合う時、
一番はじめに感じ始めるのがこの怒りという感情です。


「感情の蓋」という表現をよく用いますが、コンロで沸騰したなべのお湯が、
ふきこぼれない様に蓋で抑えている絵を想像して見てください。


普通はふきこぼれそうになったらガスを消しますが、
ガスを消さずに、蓋でふきこぼれるのを抑えているとしたら・・・


ちょっと危険な状態ですよね(笑)


怒りとはこのなべの蓋と同じ役割をしています。
何かが溢れ出すのをぐっと押さえつけているわけです。
我慢するエネルギーと同じです。


怒りを認めないと言うことは、
自分が何かをぐっと我慢している事も、
また心の中に今にも溢れ出しそうな感情がある事も見ていない状態です。


これもすごく危険な状態だと思いませんか?


では、なべの中には煮えたぎったお湯があるわけですが、
心の中の怒りという蓋の下にはいったい何があるのでしょう?


それは、悲しみや寂しさという感情です。
心の中では、この悲しみや寂しさが今にも溢れ出しそうなのを、
必死で怒りという感情を使って抑え込んでいるわけです。


だから心にちゃんと向き合いはじめた時、
怒りという感情がまず始めに出て来るのです。


「私、もう忘れていると思っていたのに、まだこんなにも怒っていたんですね・・・」


これは、始めてカウンセリングに来られた方が、よく話してくださる感想です。


自分が怒っている事を認めることが出来た時、
そして自分がその怒りを感じる事が出来た時、
その蓋の下にある感情を経験し癒す事に取り組める様になって行けるのです。

怒りはどうしたら癒せるの?


さて、怒っている事は認められたけれど、
ではどうしたらこの怒りを癒して行く事が出来るのでしょう?


これは他の感情を癒すのと同様に”感じること”です。


とは言ってもカウンセリングの様な感情を吐き出せる場所ならともかく、
普段の生活で怒りを表現したり感じるのは結構難しいです。


僕がよくおすすめしているのは、
車の中や周りの人に迷惑にならない場所で大声を出す事です。
それも、普段出さないような下腹に力を入れて、思いっきり叫ぶのです。
結構、効果は大きいですよ。


また、うちの奥さんが子育ての時によくやっていたのは、
枕に顔をうずめて大声で叫ぶ。


子育てとは時に本当に大きな怒りを抱えてしまうものです。
言葉も通じない赤ちゃんと二十四時間向き合っているのですから、
泣き止まない赤ちゃんを抱き続けて、眠る事すら出来ない夜もあります。
生身の人間ですからイライラする事もよくあるのです。


カウンセリングをしていると、子供に虐待をしてしまうというお母さんの中に、
「子育てで怒りを感じる様な事は絶対にいけない」と、
怒りを感じる事を強く禁止されている方がいます。


彼女も誰かの怒りや感情に傷ついた経験を持ってるからなのですが・・・


なべの蓋の話を思い出して下さい。
それはずいぶんと危険な事だと思いませんか?


もちろん子育てとは、怒りを感じるだけはありません。


喜びも愛も癒しも平和も感じます。
ただ怒りを感じる事があっても当たり前の事なのです。


それをどう表現し癒していくのかが大事な事なのです。

私たちが心の中の持つ”怒り”とは決して悪いだけのものではないのです。

まずは自分が抱いているその感情を許してあげてください。

時には怒りを感じてもいいんだと、自分に言ってあげて見てください。


そして心の中に怒りがある事を知った時、

その奥にある本当に癒されるべきものが見えて来るのです。





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