苦しい人間関係
職場、学校、サークル、趣味、SNS…
私たちは、常に人との関わりを持って生きています。
夫婦や家族も含めれば、私たちが持つ悩みの大半は人間関係の事なのではないだろうか。
そして時には、誰かとの関わりの事がずっと頭から離れなくて、仕事や勉強が手につかなくなったり、夜も眠れない。
…そんな苦しい時間を経験する時もある。
そうなると人生を”楽しむこと”すら出来なくなってしまいます。
筆者も子供の頃から人間関係は苦手な方で、学校を辞めたり、出来るだけ人と関わらない仕事の方が楽だったり、
だから人間関係の苦しさの事はよく理解しています。
無理に、自分と合わない人に関わったり、そこに居続ける必要は無いと思っています。
ただ中には、仕事や自分のやりたい事、また子供の学校関係など、
どうしても関わらないといけない関係や、関わっていた方が良いだろうと思う関係もあります。
そこで人間関係が苦しい時、心の中にどんな気持ちが働いているのか?
そしてどうしたら少しでもその人との関係が楽にこなせる様になるのか?を少し考えてみたいと思うのです。
本当に攻撃しているのは
人間関係で苦しくなる時、誰かに攻撃されているように感じる事があります。
もちろん大人の社会だと言っても、いじめも嫌がらせもあるし、
マウントやその関係に利害関係が生ずれば意図的な攻撃もあります。
また自分の立場や安全を守るために”群れる”事が私たちの文化には根強い様にも思います。
どんな理由であっても、実際に誰かを攻撃したり、批判したり、たたくなどの行為は、私たちの属する社会で日常的に”ある”わけです。
少し話がそれますが、
時々イジメや不倫の問題にしても”あってはいけない事”として論ずる考えに接する事があります。
でも正直、私たち人類の心は未だそこまでのレベルには成熟しておらず、
イジメやその他の問題も未だ起こりうること”ある事”として受けとめた方が、
その問題に対して対応したり対処する考えや力を持てる様に思うのですが、皆さんはどう思われるでしょう?
さてもう一度、私たちの心を傷つける『攻撃』の話に戻りますが、
実際に先ほど述べた様に”誰か”自分を攻撃する人が存在している場合もあります。
でも時には、攻撃や非難の言葉や行為を直接向けられたわけではないけれど、
きっと相手は私のことを『非難したり攻撃しているだろう・・・』と言う”考え”に苦しめられている時もあります。
自分の発言が相手を怒らせているのではないだろうか?
自分の存在が周りの人に疎ましく思われているのではないだろうか?
周りの人は自分のこんな所を劣っているとバカにしているのではないか?
誰かに攻撃される時ももちろん苦しいですが、自分の中で相手や周りの人の気持ちを想像している時も同じ様に苦しいです。
でも実は、外の世界に実際にあなたを攻撃する人がいる場合も、
その人の存在がはっきりとしていない場合でも、
どちらにしても、あなたの中には”自分自身を攻撃する気持ち”が存在するのです。
自分はいつも”うじうじ考える性格”で、その事をあなた自身が嫌っていたり。
自分は何かを決めるのにすごく”長い時間悩んでしまう”、その事をあなた自身が責めていたり。
自分の内面や性格、また外見についても自分自身がその事を責めていたり攻撃したり。
極端に言えば、自分のことを”背が高い”と認識していれば、
誰かがあなたの聞こえる所で「あの”ちんちくりん”が!」と誰かの悪口を言っていたとしても、
あなたは自分のことを言われて様には感じないでしょう。
もちろん、はっきり認識できる外見であればいいのですが、
可愛いと可愛くないなど基準が曖昧な事も多いし、
内面や性格などは自分がどう感じているかと言う主観によります。
そして、多くの人が外面も内面も自分の持っているもの全てを100%好きと感じられているわけではありません。
協調性がない、とろい、気が付かない、甘えてる、仕事が遅い etc.etc…
誰かに攻撃されている時も、攻撃されている様に感じている時でも、
あなたの中には、その人と同じ様に『自分を攻撃している自分』が居る事にまずは気づいてください。
『自分は自分のままでいい』
少し人間関係が苦手な筆者も、今までに”この人は人間関係にタフだなあ”と思う人とたくさん出会って来ました。
その人が教えてくれた人間関係の秘訣やまたその人たちが共通して持っている特徴を少し思い出してみます、
●自分をしっかり持つ
例えば、相手がこちらに怒りと言う感情を向けている時、私たちはよく”自分”が相手を怒らせていると感じてしまいます。
もちろん、自分の行動や失敗が原因になっている事もあるかも知れません。
でも、実際には自分のその行動は全ての人に怒りを感じさせる様な行動なのかと考えるとそうとも言えません。
怒りを感じるには、感じる側の心にもその要因が必ずあるのです。
因みにタフな人はそんな時・・・
”この人、キツ~怒ったはるなあ~~”と思うそうです(笑)
相手の感情と自分を”健全”に切り離して冷静に相手のことを受け止められていると思いますよね。
●あまり人の気持ちに意識を向けない
相手が考えている、感じている感情って”ひとつ”ではないです。
だからこちらが考えている、想像している”相手の気持ち”とは当たっている事もあれば、そうでない事もある。
結局は想像であり真実は解らない事でもあるのです。
だからタフな人は、いい風に考える、もしくは相手の気持ちにあまり意識を向けない様にしている。
とそんな事を話してくれます。
●色んな人がいる
タフな人と話しているとよく「ほんまに世の中”色んな人”が居るえ~」そんな言葉を耳にします。
タフな人が言う”色んな人”とは、理不尽な人、不愛想な人、わがままなヤツ、未成熟な人間、常識を知らない人…
たくさんのダメな人を総まとめにしているのだと思うのだけれど、でもその言葉はその存在を否定しているわけではなく、そう言う人たちが存在する社会を”受け入れている”心の状態だと思うのですね。
色んな人がいることを受け入れてしまうことが、ある意味タフに人の中で生きる秘訣なのかも知れません。
筆者が出会って来た人間関係にタフな人たち・・・
でも実はその人と話していると、始めからそう考えられていたわけではなく、
色んな人間と出会って関わって、人間関係にもまれて来られた事をすごく感じる時があるのですね。
苦労して来た結果、身に付けて来られた考えやコツの様にも思うのです。
●『自分は自分のままでいい』
では最後に今人間関係で苦しい思いを経験されている方へ、まず”今”出来る事をお伝えしてこの文章を終わりたいと思います。
それは『自分は自分のままでいい』という言葉を呪文の様に繰り返すことです。
人間関係が苦しくなっている時、必ずあなたの中には”今の自分ではダメだ”という自分を攻撃する自分が存在しています。
自分のモチベーション、ものの考え方、やりたい事への想い、ライフワーク、感じ方 etc.etc.
すべてすべてあなたの個性で、あなたのままでいいんです。
だから『自分は自分のままでいいんだ』とまずあなたから言ってあげてください。
職場や学校へ向かう時、人の中に居る時、夜ひとりになって自分を責めてまう時、朝目覚めて嫌な気分の時…
『自分は自分のままでいい』と何度も何度も自分に言い聞かせ、何度も何度も繰り返してください。
あなたはあなたのままでいいんです。
もちろん、カウンセリング的な物の見方をした時、出会いには必ず意味が存在します。
その人とは、あなたが何か大切なことに気づくために出会っているのかも知れない。
でも、それはまた少しあなたが落ち着いてから一緒に目を向けていけばいい。
今は『自分は自分のままでいい』を繰り返してください。
人の中に向かおうとする時『自分は自分のままでいい』と言ってください。
人の中に居る時『自分は自分のままでいい』と言い続けていてください。
苦しいって感じた時『自分は自分のままでいい』と自分に言ってあげてください。
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【プロフィール】
吉 原 直 人
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。