もう終わってしまった関係を手放しましょう。とか、
あなたの人生に必要なくなったものを手放します。など、
心の取り組みをしていると『手放し』というキーワードが出てくる時がよくあります。
別れた彼のことをずっと想い続けて心の中がいっぱいだと、
新しい出会いや新しい彼が入る余地が心の中にできません。
また出会った頃、あなたにラブラブだった時の相手の姿ばかりを追い求めていると、
現在の相手や相手が与えてくれている事が見えなくなってしまいます。
こんな時に、別れた彼を手放そうとか、
出会った頃のパートナーを手放して今の相手を見てあげよう。
という『手放し』という取り組みをします。
じゃあ「なるほどよく分かりました。〇〇をきれいさっぱり今手放します!」
となれればいいのですが、
『手放し』も『許し』と同様、なかなか難しかったり心が抵抗したりもします。
そもそも本当にそれを手放さないといけないものなのか?
そんな疑問も心の中に生まれて来ます。
今回はこの『手放せない』ものにこだわって、少し心の中を探求してみましょう。
それではまず、手放すべき「もの」とは何?
という事について考えてみます。
状況的には、別れた「彼」であったり、上手く行かない「やり方」であったり、
本当はしたくない「仕事」や「役割」。
罪悪感などの「感情」や「観念」である事もあります。
また『手放せない』心境や状況を表現する時、よく『執着』という言葉も一緒に使う事があります。
別れた「彼」に執着しているよね。とか過去に成功した「やり方」に執着している。など。
この『執着』という見方を使って、
私が本当に執着しているもの何?だろうと、少し心の中を掘り下げて考えてみると、
執着して手放せないでいる本当の「もの」とは、
その彼と付き合っている時の「一生懸命な私」であったり、
周りからしあわせそうに見える「私」であったり、
将来に希望を感じている「私」であったり、
孤独や寂しさを感じなくてもいい「状況」や「私」であったり、
本当は「彼」という相手ではなく、
その状況や「私」に執着している事に気づくことが出来るかも知れません。
またそんな自分の心理に気づけば、本当に手放すべきもの、またその背景にある手放すべき痛みもより深く見えて来るでしょう。
手放すべき「もの」について少し考えたあと、
今あなたが『手放せない』のは、何かに執着しているからなのか?
もしくは、あなたの人生に本当に必要なものだからなのか?
その答えに近づくには、あなたの『目的』、
あなたが『本当に願っていること』に目を向けてみる事です。
漠然としあわせになりたいというより、
少し具体的に願っているものを想像した方がよいでしょう。
ほかの取り組みと同じで、心に出てくるものに間違いとか正しいはありません。
また悪いとか善いという判断も必要ありません。
心に素直にそして誠実に向き合ってみてください。
私の本当に『願っているもの』は、私の『目的』は何なのだろう?
愛する人と信頼し合える関係を築く事。
いつも愛する人と楽しく過ごしていたい。
お互いの夢を心から応援し合える関係が欲しい。
誰かを命がけで愛したい。
誰かを本気で楽しませたい。
美味しいものを作って人に喜びを与えたい。
ただ歌を歌っていたい。
お金を稼いで人生を楽しみたい。
心の中にいろんな目的や願いが複数見つかるかも知れません。
でもその中で一番願っているものを選ぶ事も出来ます。
お金を稼ぐ目的なら今の仕事にこだわらないでいいかも知れない。
美味しいもので喜びを与える目的なら、今の形態でなくてもいいかも知れない。
でも、今作っているものはあなたの本物かも知れない。
あなたが幸せになるために、周りの人に承認される事は本当は必要ないのかも知れない。
あなたが本当に求めている関係は、その人とでは築けないかも知れない。
あなたが心の底から願っているのは、安定ではなく、その人を本気で愛することなのかも知れない。
あなたが自分の心の底にあるあなたの本当の気持ち気づけた時、
あなたがの本当の『目的』、あなたが本当に『願っているもの』を手にするために、
”それ”は手放した方が良いものなのか、もしくはあなたにとっての本物なのか、
少し見えてくるのではないだろうか。
【プロフィール】
吉 原 直 人
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。