心の成長プロセス(依存と自立)
僕たち個人の心が、依存時代から自立という時代を経て成長していくように、
二人の関係性も、自分よりも相手との時間が一番大事!って感じる依存(甘え)の時代から、
相手よりも自分の時間や自分のやりたい事、人間関係が大切になる自立時代に変化しながら関係性は成長していきます。
実は、この心の成長プロセスは個人やパートナーシップだけではなく、
仕事や部活、またやりたい事との関係でも同じ様に依存(わからないことを教えてもらう時代)から
自立(自分のやり方が大切になる時代)を経ていきます。
ただ、一度自立に移るとそれっきりなのではなく、依存と自立を何度も繰り返しながら大きく(成熟)していきます。
二人のタイミング(自立)
二人の関係性に話を戻すと、二人が同じタイミングで自立に入っていくとストレスも少ないのですが、
どちらかがだけが依存の状態で残ってしまっていると、相手の自分への関心や気持ちが無くなったり、愛が冷めてしまった様に感じる時があります。
すると、二人の関係性がおかしくなったり、場合によっては破綻に向かう事もあります。
自立に入って行く方からすると、相手と別れたいとまでは思っていないのですが、依存の方からすると相手の変化が受け入れられないほど傷つくのです。
そもそもパートナーシップの依存時代というのは、何よりも相手の存在や愛が唯一のものと感じます。
依存時代には、今まで自分の人生には無かったように感じるものを相手からの愛に見出します。
二人の関係で一番甘いロマンスの時代とも呼ばれるのもこの依存時代なのです。
唯一の存在になってしまうと(依存)
ただ時には、子供時代に満たされなかったものを初めて満たされるような感覚になってしまう事もあります。
極端に言えば、
親もまったく自分に関心を示してくれなかったのに・・・とか、
自分のことを肯定的に受け入れてくれる人など誰一人いなかったのに・・・とか、
はじめて経験した安心感など。
ここにはカウンセリングで言う子供の頃の痛みがあるのですが、
痛みは誤解や様々な感情が作り出しているのですが、実際にそれが無いと感じているのは事実なのです。
すると、相手がそれを与えてくれる唯一の存在となってしまいます。
これが依存時代からなかなか自立に変化しにくい心理を作ってしまいます。
もともと心は求めている愛で満たされ、自然に自立の方向へ向かうのですが、自分の人生には無いとあきらめていたものを唯一見つけたと感じれば少々執着してしまってもおかしくはないです。
二人が成熟していくプロセス
もちろん、今お話しているのは二人の関係性がたどる心の変化の一例で、必ずこの様に変化しなければいけないと言う話ではありません。
ロマンスの時代からずっと変わらずお互いを必要としていると言う関係がおかしいわけではありません。
また依存が幼くて自立が成長しているわけでもないのです。心が成熟していく過程なのです。依存や自立のその先には相互依存という自分も大切(自立)にまた相手のことにも依存(必要)するという関係に成熟していきます。
ただ、この心の成長プロセスのことを知っていると、
依存側の人は、相手からの自分への愛が無くなってしまったわけではない事を少し意識出来たり、また心が唯一と感じてしまっている痛みの方をそっと受け入れ癒すことも出来ると思うのです。
また自立側の人は、子供の時にくつを履かせようとするママに『もう自分で出来るから!』ってママの手を払いのけるようなやり方ではなく、またもう少し成長した時代の時のように『俺の、私の部屋に絶対に入らないで!(怒)』って態度で自立していくのではなく、
もう少し相手の気持ちに配慮した大人な自立の方法がある事に気付けるかも知れません。
今の関係を何があっても維持しないといけない。というわけでないのです。
ただ、パートナーシップという二人の関係性も変化し続ける。そして”今”の状況が二人の最終的な関係ではなく、変化の過程なのだと考える事が出来れば少し冷静にまた目の前の選択肢も増えます。
思い通りにならない相手を責めるのではなく、お互いの心の状態を少しでも理解して、今出来る範囲で相手を思いやる配慮が出来れば素晴らしいことではないでしょうか。
パートナーとは、
愛するということを学び、自分自身を愛し、豊かにそしてお互いがもっとよりよく成長していくために
選び合った相手だと思うのです。