このコーナーでは、カウンセリングを受けて頂いている皆様へ、
カウンセリングで使っている言葉の説明や、その取り組みのプロセス、
また、僕が日々気づいたことなどを中心にお伝えしていきたいと思っております。
日々の生活でヒントや、皆様の心のケアに役立てて頂ければ幸いです。
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「 変化を認める 」
カウンセリングを続けて頂いていると、
最近周りの人からよく「何か変わったね」って言われるんだけど、
自分ではあまり意識できなくて・・・というような話を良くお聞きします。
そんな時僕は嬉しくなって、
クライアントさんと一緒にその変化を再確認していきます。
はじめて来られた時にお話されていた内容や、
当時感じていた感情を一緒に振り返って見ます。
その頃は、彼に対しての怒りばかりを話していたのに、
今は彼の言動の背景にある色んな感情の話をされていたり。
以前は、彼への不安だけが心を満たしていたのに、
今は、ご自身の夢やビジョンの話に変っていたり。
こちらから見ると、話されている内容も顔の表情も随分変化されているのだけれど、
ご本人はその変化になかなか気付かない。
そんな事をよく経験します。
自分の変化って中々見えにくいんですね。
例えば、小さな子供を育てているとこんな事を経験します。
自分の子供とは、毎日一緒に過しています。
「まだ寝返りは出来ないのかなあ?」
「もう少ししたら歩けるかなあ?」
そんな期待を持ちながら、毎日毎日見続けているわけです。
だから、一つ一つの変化がゆっくりと感じるのですね。
でも、一年ぶりに家に来た友達はうちの子を見てこう反応します。
「え~っ もう歩いているの!!」
「こっ こんなに大きくなったんだあ!」
当たり前ですよね(笑)
友人は、毎日うちの子供を見ていないわけで、
一年前の子供と比べたら、どえらい変化です。
これと同じ様に、
僕達は、自分と毎日24時間ずっと付き合っているわけで、
少し過去を振り返らないと、その違いが見えない時が多いのです。
僕自身、カウンセリングでお客様と一緒に振り返るように、
自分自身のことも季節ごとに振り返って見ます。
去年、桜が咲いている頃はどんな事考えていたのだろう?
何に悩み、何を感じて桜を見ていたんだっけ?
その前の年はどんな状況だっただろう?
その前は・・・
そうして振り返って見ると、たくさんの変化が見えて来ます。
僕達は、まちがいなく日々成長し変化しているのです。
特にカウンセリングでは、
普段は目を向けない様な自分自身の心にまっこうから向き合うわけですから、
人生で10年かかる成長を1年、2年でやってのける様なものなのです。
時に少し前の自分を振り返って、その変化の方に目を向ける事も大切な事です。
自分の子供がはじめて寝返り出来た時に、
「なんだお前まだ歩けないのか・・・」って肩を落としますか?
嬉しくなって大喜びするでしょう??
でも親もね、小学生くらいになるとね。
足し算が出来たら、すぐさま掛け算を・・・
お隣の子供と比べて、出来てないことばかりに目を向け始めます。
僕達のその時代のことを思い出して見てください。
もう少し、出来た事、成長した面を、誉めてもらえたらもっともっと・・・
なんて感じていた事を思い出しませんか?
心とはそう言うものなのです。
誉めてもらえれば、認めてもらえれば、もっともっと良くなろうと働くのです。
そうです。カウンセリングとはもう一度自分自身の心を育てているのです。
誉める時は充分に自分自身を認めて賞賛してあげてください。
ひとつひとつの変化が見えたら、
恥ずかしい気持ちや、ちっぽけな事だという気持ちに負けないで、
少し勇気をだしてその変化を認めてあげてください。
「私はこれだけ成長出来た」と。
「私はすばらしい」と。
自分自身のことを認めて誉めてあげてください。
まちがいなくあなたが、あなた自身の力で、成し遂げた成長です。
自分の心と向き合うとき、
この「変化を認めること」はとても大切なことです。
変化を認められたとき、心はまた次の目標に向う事が出来ます。
自分を認められたとき、人は成熟出来るのです。
そして、自分を受け入れる事が出来た時、
自分以外の人も愛する事が出来るのです。