僕は子供の頃から見た目も性格も”男っぽい”方ではなかった。
中学で同じ吹奏楽部の女友達は、僕のことをずっと『直子』って呼んでいた。
仲良くしていたのであまり気にはならなかったが、周りの方が少し気を使ったのだろう僕が結婚する頃には自然に『直人くん』に変わっていた(笑)
心理学では僕達は皆んな心の中に『男性性』と『女性性』を持っている。
僕は女性性が強かったり表に出ていると言えるだろう。
『痛み』という視点から表現すると、男性性を抑圧していたり、傷つけているとも言える。
今その話は詳しく語らないが、
僕が自分の女性的な面を、その世代その世代によってどんな風に”感じているか”が少しずつ違っていた。
今の時代なら自他ともに『個性』として受け入れられることが増えて来たが、その時代は未だ『男は男らしく』と言れて普通の時代。
特に思春期の頃は、男らしくないことをコンプレックスに思えたり、女性的な面を持ってはいけないことだと感じたりしていることもあった。
仲の良い女友達に『直子~』って呼ばれても『何?何~?』って近づいていっただろうけれど、
あまり話をしたこともない子に『吉原くんってすっごい女性的な字を書くよね!』って言われたら・・・
傷ついていたかも知れないし、もしかしたら頼りないとか女々しいとか、少し攻撃されている風に”感じた”かも知れない。
ここで何が起こっているのか?と言うと、
心の中で女性的な面を自分自身が”攻撃している”と、周りの人からも”攻撃されている”ように感じてしまうと言うことのなのだ。
実際は『優しい温かい字ね!』って言ってくれているのかも知れないし、また何も深く感じることなくただ思ったことを口にしているだけかも知れない。
因みにカウンセリングの仕事についてからは、
『私、男性が怖くてあまり話せなかったのだけど吉原さんは全然そんなことなくて・・・』とか、
『女の人と話しているみたいに色々話せました』って言われることが多い。
今の僕は”誉められた”と喜んでいるが、実際は誉めてあげようと思って言って下さっているわけではないだろうし、ただ自分が楽になれたことを伝えて下さってるのかも知れません。
でももしかすると『自分は男性的な魅力をあまり持ってないんだ』と受け取って傷つくことも出来なくはないですよね(笑)
僕たちは、周りの人の言葉や反応、また行動をいつも『自分の心の中にあるフィルターを通して』相手の気持ちを想像しています。
・自分が自分の女性的な面を”攻撃”していれば、周りの人も攻撃して来る様に感じるし、
・自分が夫の役に立てていないと心のどこかで感じていれば、相手の言動も”価値がない”と言われている様に感じてしまう。
・心の中に罪悪感を持っていると、何を言われても”責められている”と感じるし、
・パートナーとして自分が”足りていない”と感じていれば、色んなシチュエーションで相手もそう”感じているに違いない”と思ってしまう。
もちろん、夫婦と言う長い関係の経験値から間違いなく相手もそう感じている。と反発したい気持ちが出て来るかも知れない。
また実際に相手が攻撃したり嫌味を言ったりしている時もあるかも知れません。
でも相手が否定的な気持ちをこちらに向けていたとしても、それによってあなたの人生が不幸せになることなど”本当”は無いのです。
あなた自身が肯定的に、例えば誉められていると感じることが出来れば、それがあなたの人生での事実となるのです。
僕は、自分の日常を振り返っても、またここでいろんな人のお話を聴いていても、
心の『フィルター』を通して見た相手の気持ちに振り回されたり、傷ついたり、右往左往していることがとても多いように思います。
でもそれはいけないことではなく自然な心の”仕組み”なのです。
だから、
心の中の『フィルター』を通して周りの人の気持ちを見ているんだ。ってことを思い出すだけでいいのだと思う。
自分の心の中にある『フィルター』に気付けたら、それを好きなものに取り替えることも出来ます。
また『フィルター』に気付いて少し冷静になれた時、相手の攻撃には言葉に出来ない『助けてほしい』という気持ちが隠れていることに気付けるかも知れません。
喧嘩した時・・・
怒りを感じた時・・・
傷ついた時・・・
心の『フィルター』のことを少し思い出してみてください。
今日のあなたの気分も、あなたの人生の喜びも、これから先のあなたの成功も幸せも、あなた自身が創り出せるのです。