子育ての時誰でも経験する感情


子供が、赤ん坊の時、
危なくて目が離せない時代も、
学校や保育園でいろいろ問題を抱えて来る頃、
反抗期、進路、教育費 …
子供と一緒に居るって、愛だとか、綺麗事では済まされない時だっていっぱいある。


そんな時、僕たちの心の中にうごめいている感情は、自分の”至らなさ”や親としての”不充分さ”ではないだろうか。


泣き止まない子に、穏やかでいられない自分を責めたり、
言うことをきかない子供に、感情をぶつけては後で苦しくなったり、
子供が何か問題を抱えたりトラブルを起こした時、なんとか乗り越えさせてあげたいとう気持ちと同時に、
心のどこかで、自分の育て方が間違っていたのではないかと感じてしまう。
時間、お金、環境 … 子供の望みや、欲しいものを与えてあげられない。


子供を育てることは自分の心の中にある無価値感や罪悪感との闘いでもあるかも知れない。


でもどうして、そんなに自分を責めてしまうのか?を考えた時、
それはやはり子供には、環境、教育、愛情、豊かさ …
”最高のもの”を与えたいと願う親の愛があるからに違いない。

自分の親が完璧じゃなかった事を責めている分、
自分には”完璧な親”であることを課している。

子供への愛と、不完全な自分を許せない気持ちが”至らなさ”と言う気持ちにつながっている。



子育てで経験する感情

僕たちが欲しかったもの


そんな無価値感や罪悪感から抜け出せない時、
自分が子供に”何”が与えられるのだろう?と思った時は、
自分が欲しかったものを少し思い出してみるといい。

たくさん出てくる。
穏やかな家庭、笑い、平和、自由、優しさ、お金、豊かさ、楽しさ、理解 …
それさえあれば・・・と悲しさやくやしさを経験したこともあるだろう。


でも、本当に欲しかったもの、本当に必要だったものって何だろう?ともう少し思い出してみる。


僕は、人生で一度だけ親父に「俺はお前のことがかわいい」と言われたことがある。

たった一度だけ。

それはやっとの思いで進学した学校に”行けなく”なり、どうしていいかわからずふらふらふらふらしていた時、
見かねた親父が実家に呼び戻し、これからどうするのかを話し合っていた時だった。
残念ながらその”言葉”を聞いて涙を流したり、何かが劇的に変わったわけではない。

でも実はその時の”言葉”を僕はこの歳になっても覚えている。
そうかあ、親父はオレのことをかわいいと思っていたんだ・・・と。
もちろん育ててもらったわけで愛されていないとは”考えて”はいなかった。
だけど、心の中では自分のことを”情けない存在”であったり”迷惑な存在”だと感じていた。

そう僕たち親が時折感じる”至らなさ”と同じように・・・



僕たちに必要だったもの

子供に必要なものとは?


子供を育てる過程で、言葉やきれいごとでは済まない時はきっとある。
いや …たくさんある。
そして親は自分が何を与えられるのかをわからなくなってしまう時もある。

でも、その時少し思い出してみる。
自分に本当に必要だったもの …
僕たちの心に本当に必要だったものは”自分が大切に想われている存在”だという実感だった。
そして僕たちはそれをずっと探していたのではないだろうか?

親になると、子を想う気持ちを当たり前に感じるようになる。
でも、子供たちには伝わっていないことがある。
またそれが感じられない心の状態の時もある。
僕たちが皆そうだったように。

僕にも今、年頃の息子がいる。
その想いをあらためて”言葉”にして伝える事が難しいのは知っている。
でも、僕たちが当たり前のように感じている彼らを大切に想う”想い”が、
彼らに必要なことを思い出して向き合えば、言葉はなくとも必ず伝わる。

そしてその伝わった”あなたの想い”が、
これからの彼らの人生で何度も何度も”踏ん張り”になる時が来る。

子供が生きていく上で必要なものは沢山ある。
でも、今一番大切なものはあなたが既に持っているその”想い”が伝わることなのではないだろうか。




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よしはらなおと【プロフィール】 
吉 原 直 人 
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。

● 吉原の詳しいプロフィールはこちら>>



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