●『罪悪感』に振り回されない


僕たち親は、子供に出来るだけ良い環境を、よい教育を、豊かな生活を etc.

与えたいと願っているものです。


でも心の中では、どうしても与えられなかったり、不足していると感じるものが誰にもあります。

平和な家庭、楽しい生活、自由、お金、豊かな愛 etc.


子供たちに我慢させたり、与えてあげられなかったと思うものに目を向けると、

僕たちの心は、とても切なくなったり、申し訳ない気持ちになったりします。



でもそんな時は少し注意が必要です。



自分が与えられなかったと感じているなら、どこかで自分を責めているでしょうし、

与えてあげられない原因が自分以外にあると感じていたら、その人のことを責めています。



罪悪感。



罪悪感も愛から生じる感情なので、子供を思う愛情に違いはなのですが、

罪悪感を感じながら行動をすると、どうしても相手にその重い感情が一緒に届いてしまいます。



少し、自分が子供の立場だった頃を思い出してくださいね。


「お母さん、いつも仕事であんたに料理作ってあげられてないやろ。昨日は寝んとご飯作ってん」

「あんたのこと考えて〇〇してるんよ、ちゃんと受け取って」・・・的な事を言われた時、

親の申し訳ない気持ちが一緒に伝わって来るとすごく鬱陶しく感じました。


そう「もうほっといてくれや」と感じた時です。

あの時僕たちは伝わってくる罪悪感を拒絶したかったのです。



もっと幼い時だったら拒絶せずに、罪悪感を受け取ってしまうこともあります。

『こんな僕がママにしんどい思いをさせてしまってるんだな・・・』



親は最良を与えたいと言う思いが大きい分、罪悪感を感じてしまう事も多いのです。


でも、そんな時は少し立ち止まって、


行動する前に、自分が今、喜びからそれをしようとしているのか?

それとも申し訳なさを埋めようとしているのか?を確かめて見てください。


●本当に与えるべきなのは。


では次に、


具体的に子供に足りていないと思う事や、また我慢しているんじゃないだろうかと思うものを書き出して見ましょう。


・学校や勉強が忙しくて自分のやりたい事を楽しめる時間がない。

・親と過ごす時間が少なくて寂しい思いをしている。

・周りの期待をいっぱい背負っていて、本当に生きたい人生を生きられてないのでは? 

・誰かに気兼ねして、いつも本当の気持ちを抑え込んでいる。 


何でもいいです。

あなたの思いつくままにいくつか書いて見てください。


その子には本当は必要なのに与えられていないと感じるもの・・・


ずっとその子が欲しいのに我慢していると思うもの・・・



いくつか思いついてから、次に進んでくださいね。




*  *




さて、心理学でよく使うものの見方ですが、僕たちは誰か自分以外の人を見る時、

必ず自分の心の中にあるものを相手に映し出して見ています。

例えば、あの人 寂しいそうだな と感じるのは自分の中の 寂しさ を通して感じている。という意味です。


この投影というものの見方を使って、さきほど書き上げた事について考えて見てください。


・私は、自分のやりたい事を楽しめているのでしょうか?

・私は今、愛して欲しいと思う人からの愛を感じられているだろうか?

・本当に生きたい人生を生きられていないのは誰でしょう?

・あなたは誰に気兼ねして本音を言えずにいるのですか?



これをカウンセリングでは投影を取り戻すという言葉で表現するのですが、

相手に見ていた感情を自分のものとして認識し直します。


これがちゃんと出来ていないと、○○ちゃんが寂しいから、○○ちゃんが悲しむから・・・と、

自分の感情なのか子供の感情なのか区別がつかなくなってしまいます。


もちろん、あなたが見ている感情はすべてあなたの感情で、

子供は寂しさなどまったく感じていない。という事ではありません。



ただ、僕たちは自分の感情を相手に映し出して感じているという認識を持つ事が大切なのです。



そして、子供に見ている状況や感情が自分のものだと気づく事が出来たのなら、

まず、あなた自身に”それ”を与えてあげる事が先なのではないでしょうか?



自分に楽しむ時間を与えてあげる事。

自分が寂しさを感じていることを知ってあげる事。

自分の本当の気持ちや生きたい人生のことに耳を傾けてあげる事。

そして自分の人生を生きる機会を与えてあげる事。



やりたい事も出来ず、しないといけない事ばかりをしている親の元で、

子供たちは自分のしたい事を心から楽しめるでしょうか?


世間体や人の評価ばかりに気を使ってびくびくしている親の元で、

子供たちはおおらかに毎日笑いながら過ごせるでしょうか?


絶対、失敗をする事は許されないと生きている親の元で、

子供は本当にやって見たい”生き方”にチャレンジ出来るでしょうか?



もしかすると、僕たちの世代は、

そんな事に気付かずに親として当然の感情だと言って、育てられて来た事が多かったかも知れない。

だから、何かに支配されている様だったり、息苦しさを感じて生きて来たのかも知れない。



でも、今気付けたのなら、ここから先は変えていく事が出来る。



あなたが子供に与えてあげたいというものを、まずあなた自身に与えようとしてあげてください。

そしてあなた自身が解放された時、はじめて、あなたの子供も自由になる事が出来るのです。




よしはらなおと【プロフィール】 
吉 原 直 人 
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。

● 吉原の詳しいプロフィールはこちら>>



〇 【 子育て 】の記事一覧>>


〇 電話で出来るカウンセリング>>

〇 面談カウンセリング>>

Follow me!