光の国
うちには3才の男の子がいます。
お兄ちゃんはその頃、もっぱら電車や機関車が大好きでしたが、
下の子は、ウルトラマンやゴジラなんかの、
怪獣が出てくるビデオを毎日ずっと観ています。
しかも、必ず出ている怪獣になりきって見るのです。
ゴジラが口から青い熱線を吐けば、
彼も必ず「ブハ~ ~ ~ !!」って何かを吐いています。
ウルトラマンがスペシウム光線を放てば、
同時に彼も手を十字に組んで、りきんでいます。
バルタン星人が笑えば、
彼は小さな手をチョキにして「ぶうふぁ ふうぁ ふうぁ」って笑っています。
なんだかな・・・
お兄ちゃんはこの頃ひざの上に座って、一緒に電車の本を読んで遊びましたが、
下の子は、怪獣になって一緒に戦わねばなりません。
お父さんも最近はそこそこ歳を取って来て、
戦いは、3分でカラータイマーが点滅し始めます。
でも、3才の男の子はウルトラマンよりずっと息が長い・・・
せんぞ戦い続けて、お父さんはフラフラなのに、
お風呂に入ると、またいきなりエレキングになって暴れ出します。
この頃の子供たちって、いつも”なりたいもの”があるんですね。
そして子供たちは、何の疑いもなくすぐにそれに”なりきり”ます。
それに比べ僕たちは、大人になるまでに色んな制限を学んできました。
でも・・・ 時には、子供が寝静まった夜。
僕たちの心の中の小さな男の子や女の子も解放してあげませんか?
その子が、本当はどうなりたいのか? 本当は何がしたいのか?
耳を傾けて見てあげてください。
その子は、あなたがこの世界に、本当は何をしに来たのか?
まだ覚えているんじゃないかな?
僕たちの周りに見る、幸せな人や成功した人は、
きっとその子の声をずっと聴き続けてきた人たちだと思う。
僕たちが学んだ制限とは、教わった通りに、
そのまま作り出していた”だけ”なのかも知れない。
本当はこの世界は、
子供たちが見ている様な”光の国”なのかも知れない。
2011.10