「自分には価値がない」

「自分はそれに値しない」

「自分は必要とされていない」



そんな気持ちを感じた事は無いですか?



仕事のつながりの中で、

人が集まる中で、

また家族や夫婦などとっても身近な人に対して。



誰もが心の深いところで、

「誰かの役に立っていたい」と強く願っています。

それは心の最も根っこにある僕たちの”想い”です。



なのに、自分が「必要とされていない」「役に立っていない」

と感じるとしたら、とても悲しくて辛い事です。



時には「その気持ち」を感じないで済むように、

必死で働いたり、人のために動き回ったりしている事もあります。



また、僕たちは無意識に、

必要とされてると感じられる場所には喜んで行きますが、

必要とされていないと感じる場所や人には近づこうとしません。



少し思い返すと誰でも思い当たる事があるのではないでしょうか。

それほど僕たちは「その気持ち」を感じたくないのです。



「必要とされていない」「役に立っていない」「価値がない」

そんな気持ちや感情を『無価値感』と呼んでいます。



そして、出来るだけ”感じたくない感情”なので、

心の中に『無価値感』があっても、自分で気付いていない事があります。



すると、少し困った事が起こって来ます。

なんとなく、その場所に行くのが嫌だ。

なんとなく、その人には会いたくない。

また、会いたいんだけれど、近づけない。

僕たちは”なんとなく”その人や場所に距離を作ってしまいます。



相手や場所がそれほど重要な関係でなければ、

大きな問題にはならないかも知れませんが、

夫婦や家族、また職場でもどうしても関わる必要のある人の場合、

少々問題になって来ます。



愛する人に必要とされていないと感じてしまったり、

どうしても関わらないといけない人なのに、

会いたくない、行きたくない。と感じてしまうのです。



* *



ほかにも『怒り』や『罪悪感』などの感情を感じていても、

同じ様に近づきたくないと感じる事はあります。



でも自分が『怒っている』や『罪悪感』を感じている事に、

自分でも気付いている事が多いのではないでしょうか。



どうして気付いている事が重要なのかと言うと、

自分が感じている事を自覚出来ている感情であれば、

その感情に対して対処する事が出来るからです。



でも自分が感じている感情に自覚が無いとどうなるかと言うと、

「あの人は、私のことなんてもう必要としていないから」とか、

「あの人たちは、きっと私が居ない方が楽しいでしょう」とか、

「○○は、私が居なくても大丈夫だと思う」など、

自分以外の人がそう思っているだろうと言う事”だけ”を考えてしまいます。



もちろん『罪悪感』でも相手から「責められている」と感じますが、

自分自身が『罪悪感』を抱えている事に気付いていると、

「罪悪感を持っているから、自分がそう感じてしまっているのかな?」

と言う別の見方や可能性も考える事が出来るのです。

だから自分自身が今どんな気持ちを持っているかに気付いている事が、

とても大切なのです。



* *



以前、ほかの文章でも書いた覚えがあるのですが、

僕がこの『無価値感』ですごく後悔した事があります。



それは離婚問題を抱えている時に、

幼い息子も、僕が居なくても大丈夫なのかなって感じてしまった事です。

ずっと妻から離婚を求められているという特別な状態でしたが、

自分が、彼ももう僕を必要としていないかもって感じた事を、

後になってすいぶん後悔したり、悲しんだりしました。



頭では彼の気持ちを解っているはずなのに、

自分が傷ついたり、痛みが大きくなり過ぎると、

周りの人の本当の気持ちが見えなくなってしまう。



もちろんその時、彼の本当の気持ちが見えていたとしても、

離婚は回避出来なかったと思います。



でも大切な人の本当の気持ちを、

一瞬でも感じられなくなってしまったり、

見えなくなってしまう事はとても悲しい事です。

だから、自分の心の中にあるものに時々目を向けたり、

確かめる事が僕は大切なのだと思います。




少し話がそれてしまいましたが、

自分が今心の中にどんな感情を抱えているのか、

それに気付く事が出来れば、それを変える事が出来ます。



もし今私の中にも『無価値感』があるかもって思う時は、

それを変容する二つの方法を紹介しますので使ってください。



○1つ目


【あなたが『無価値感』を持ったルーツをだどる】



僕たちは多くの場合その感情を子供の頃に経験しています。

僕自身の『無価値感』のルーツをたどった時の事を紹介しますので、

同じように自分の心の中にも意識を向けて見てください。



僕の場合『無価値感』の事を考えるとふと思い出す光景があります。

ひとつは小学生の頃の事、

掃除の時間に体育館で友達二人が激しく殴り合いの喧嘩を始めたのですね。

その時、傍には僕しかいなくて必死で二人の間に入って、

喧嘩を止めようとしていたんです。

しばらくして他の友達たちが駆けつけて、なんとか収まったのですが、

その時誰かが「吉原が止めても無理やろう」って言ったんです。



当時僕は身体もクラスで一番小っちゃくて、気も弱いタイプで・・・

そのあと何も言わず固まっていたのを覚えているんですね。

今も覚えているって事はその時随分傷ついていたのでしょう(笑)



もしあなたに似たような体験があったなら、

イメージの中でその傷ついた当時の自分に言ってあげてください。



「良く頑張ったね」「君のおかげでみんな助かったよ」ってね。



もうひとつは、もっと小さい頃から経験していた両親の喧嘩です。

喧嘩が始まると、いつも一人で二階の誰もいない部屋に行って、



部屋の隅っこでずっと本を読んだり、おもちゃで遊んだり。

下の部屋からは怒鳴り合う両親の声が聞こえているわけで、



きっと意識は本や遊びに向かってはいなかったと思います。

恐いって気持ちはあったでしょう。



でもほかにも、当時の僕の心の中には、

いろんな気持ちがあったはずです。



今はもう思い出せないかも知れませんが、

僕たちが小さい頃、今想像するよりもっともっと純粋でした。

大好きな人が悲しい顔をしたり、苦しんでいたりすると、

なんとか自分が助けてあげたいと真剣に感じていたし。

今よりももっと、

好きな人の役に立ちたい、喜んでほしいと思っていました。



離婚や両親の喧嘩も、

自分のせいと感じてしまうほど純粋だったのです。

そんな心を持っている時に両親の喧嘩が収まらない、

自分が喧嘩を止める事も出来ない。

大好きな人を癒す事も、笑顔にする事も出来ない。

そう感じてしまう事は辛いですよね。



自分には価値がない。



そしてその気持ちに耐えられなくなると、

僕たちは無関心を装っていきます。



もっとほかにもルーツはあるかも知れません。



自分が勉強やスポーツで両親を喜ばせれる存在じゃないと感じた時。

大好きな人の寂しさを拭ってあげられない存在だと感じた時。

いつも大好きな人を怖い顔で怒らせてしまうと感じた時。etc.



そんな子供の頃の自分に気付いてあげられたら、

今、その子にちゃんと向き合ってあげて欲しいのです。



「喧嘩しているのは君のせいじゃないよ」

「悲しんでいるのはあなたのせいじゃない」

「君は本当に優しい子だよ」

「一生懸命がんばってる君はすごいよ」


あの時「自分には価値がない」と思ったその『誤解』を解いてあげて欲しいのです。

「自分は愛されるに値しない」と感じてしまった『誤解』を今解いてあげて下さい。

本当はあなたは何よりも大切な存在だった。



○2つ目


【今の自分に価値を与える】



自分の良いところ(価値)を見つけて、

毎日、自分自身にちゃんと伝える事です。



「今日も可愛いね」

「いつも笑顔が素敵ね」

「あなたには素晴らしい才能に恵まれているわ」



毎日です。



旦那さんが数年前に一度だけ「綺麗だよ」って言ってくれて、

その一回の言葉であなたは満たされていて、

今もその言葉を信じて美しくい続けられますか?



それと一緒です。

毎日毎日ずっとです。



そして自分の価値を見つけて書き出す事を習慣にしたり、

また周りの人の価値を見つけようとする事も、

自分自身に価値を感じる気持ちを高めてくれるでしょう。



決して自分の価値を見て、24時間自信たっぷりで居続けなくても、

無価値感を一切感じない様な自分にならなくてもいいのです。



大切な人に対して何か距離を感じるなって思った時、

自分の中にある感情に気付いたり、

また本当にあなたを必要としている周りの人の気持ちに

気付く事が出来るだけで大きな変化です。



そして少し勇気をもってその人に近づけた時、

あなた自身を与える事が出来た時、

あなたは色んな誤解を解いて自分の本当の価値を思い出すでしょう。





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【プロフィール】 
吉 原 直 人 
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。

● 吉原の詳しいプロフィールはこちら>>



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