僕たちは心の中に”どうしても『こんな人』にはなりたくない”
そんな心理を持っていることがあります。
だから僕は、私は・・・
自分を磨き続けるわ。自分の夢を諦めない。自分に誠実に生きる。etc.
と思い続けることも出来るわけで、決してそれがネガティブなことだけではありません。
ただ、一生懸命頑張っているのに、なかなか幸せになれない。良くならない。成果が上がらない。
と感じる時、あなたの心の中の”こんな人にはなりたくない”という心理が、
幸せになることを、どこかで足を引っ張っているかも知れない。というお話です。
<目次>
●『禁止』
●『シャドー』
●『いい人』は悪いことではないけれど・・・
● 夢を叶えるために『シャドー』を受け入れる
『禁止』
例えば、子供の頃・・・
・大人の嘘にいつも傷ついて来たから、私は絶対子供に嘘は言わないと決めている。
・父親の暴力や暴言で悲しい思いをして来たから、自分は何があっても怒らない。
・親がお金や異性関係にルーズだったのを見て、私は絶対そうはならないと決めている。
すべて間違ってはいないのですが、
・暴力や暴言はいけないけれど『怒ること』まで禁止していると少ししんどいです。
・また怒ってはいけないと決めていると、自然に怒りを感じさせる相手とは距離を持ち始めます。少し深刻になると相手と別れたい。そんな気持ちになってしまうことさえあります。
・お金にルーズなのは人に迷惑をかけてしまいそうですが、お金を楽しむことまで禁止していたり、自分の中にあっていいはずのセクシャルなエネルギーを嫌っていると、夫婦の問題にもつながるかも知れません。
・絶対、私は正しいことだけしか口にしない。というのも少し窮屈で重苦しい感じがしないでしょうか?
僕たちはこんな風に、誰かの言動で自分が傷ついたり嫌な思いをした分、自分はそんな言動を絶対にしないと心に決めていることがあります。
そのことを心理学では『禁止』と言います。
『シャドー』
『禁止』は誰かの『行動』を批判する気持ちですが、『シャドー』はその行動をしている『相手』を全面的に批判したり否定する気持ちです。
心理学では『絶対”こんな人”にはなりたくない』という気持ちや、そう感じさせる『相手』のことをシャドーと呼んでいます。
『シャドー』は『禁止』よりも抑圧された感情なので、自分自身では気づけなかったり、認められなかったりもします。
僕自身もずっと自分の心には向き合っていますが、カウンセリングなどで誰かと一緒に心の中を見つめて、あらためて「はっ」と気づけることもよくもあります。
『シャドー』が少しやっかいな心理なのは、心の深い所で自分自身も”その人のようだ”と信じ込んでいることなのです。
・自分も、感情を抑えることが出来なければ、相手をとことん傷つけてしまうような存在なのではないか・・・
・いったん制限をとってしまうと、誰とでもSEXをしてしまうのではないか・・・
・本当は自分のことしか考えていない人間なのでは・・・ etc.
すると心は防衛反応として、心の深くで信じている『自分』とはまったく反対の自分になろうとします。それが『いい人』なのです。
・いつも自分の利益や売り上げは後回しに考える”いい営業マン”になろうとしたり。
・SEXにあまり興味はない”素振り”をしたり。
・何があってもいつも優しく笑顔をたやさない”いい人”であり続けようとしたり。
心の深くで自分も『シャドー』が見せてくれている様な”存在”なのではないかと信じているので、またそうなることを最も怖れているので、そんな要素が微塵も無いような『人』を演じることに全てのエネルギーを注いでしまうのです。
『いい人』は悪いことではないけれど・・・
少し想像してみてくださいね。
・誠実で誰よりも信頼をおける営業マンなのだけれど、何かパワフルさを感じない。
・清楚で優しくて奥さんにすれば間違いはないと思うのだけれど、女性的な魅力をなぜかあまり感じない。
そんな風に感じる人がいて、彼が会社で営業成績一番になるのが夢なんですとか、いずれ自分で会社を興したいんですとか言っていても、何か今未だその夢には少し遠いような感じがしませんか?
・仕事に誠実な人だけれど、心のどこかでお金をもらうことに罪悪感を持っていたら・・・
・口では彼が欲しいとか恋がしたいとよく言ってるけれど、恋愛にのめり込む女性を批判していたり・・・
しているとその人の幸せにどこかブレーキがかかってしまっている様に思いませんか?
もしも今あなたが、仕事、事業、恋愛、婚活、夢…
に対して本当に一生懸命努力したり頑張っているのに、なかなか成果が出ない、結果が伴わない。
と感じているとしたら、一度自分の中にいる『いい人』を探してみてください。
そして、どうしてそんな『いい人』になろうとしているだろう?
と自分に問いかけてみてください。
夢を叶えるために『シャドー』を受け入れる
もう一度『シャドー』の話に戻りますが、思いのほか『シャドー』は自分の身近にいます。
そして少し考えてください。
あなたが嫌ったその人の行動や言動で、あなたが、誰かが、またその人自身が深く傷つき苦しんで来たかも知れない。
もちろんその行動や言動は間違っていたかも知れません。
だけどその人の性格や性質が『悪』だったわけではないのではないだろうか?
・『怒り』や『感情』が人を傷つけたりはしない。その表現方法によっては人を傷つけてしまうことがあるのです。
・お金やお金を欲しいと思う『気持ち』が誰かを苦しめたのではないです。
・その人がそれだけのお金を使ったのは本当は何のためだったのだろう?
・誰かを傷つけてしまう行動はあるけれど、誰かを愛したい、抱かれたい、繋がりたいという気持ちが悪なのだろうか?
行動や言動はあなた自身が選択出来るのです。その人と同じにはなりません。
あなたの外側の『いい人』の背景には『絶対こんな人にはなりたくない』という気持ちが隠れています。
そしてその『シャドー』が見せてくれているあなたの性質が、感情が、気持ちが、そしてエネルギーが、
あなたのその幸せには、成功には、どうしても必要なのです。
ここにあなたを前に進めてくれるとてもパワフルなアファメーションがあります。
今、あなたの『才能』と『魅力』をときはなしてください。
『私は△△のことを許します。そして私の○○という才能を解放します』
§関連の記事
●許せない心理に隠された幸せになる力
●個性の両面
●頑張っても結果につながらない~よくある心のパターン~
§カウンセリングサイト
●Foo-cen夫婦カウンセリングセンター
【プロフィール】
吉 原 直 人 心理カウンセラー
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
●吉原の詳しいプロフィールはこちら>>