「もう嫌っ、あんたが求めるのは身体ばっかりやんか(怒)」
女性側が拒否しているケースで、
こんな言葉を口にした女性や、
またこんな言葉をぶつけられた男性も多いんじゃないでしょうか。
僕もこの言葉を聞いた時、はじめこんな風に考えました。
そうか「身体ばっかり・・」って怒ってるんだから、
もっと別な事も求めて欲しいのかな?
もっとおいしいご飯が食べたいとか。
もっと精神的な愛情が欲しいとか。
・・・ダメですよね ・・全然(笑)
確かに言葉をそのまま解釈すると、そんな風にも理解できますが、
それは身体以外の事も求めて欲しいという意味ではありませんよね。
彼女は、
私には何も与えてくれてないのに、自分の欲求ばかり求めるなんて! と怒っているのです。
「あなたは私に欲しいものを与えてくれないのに、なぜあなたばかり要求するの」
と言う気持ちが、その言葉に含まれているのです。
彼女が欲しいものは、もちろん愛情ですが、
具体的には、会話かも知れないし、優しさかも知れない。
気遣いかも知れないし、共感かも知れない。
また、守ってもらってると言う安心感かも知れません。
子育ての時に、奥さんが育児や家事を一人で抱えてしまったり、
だんなの助けや理解が欲しいのにずっと我慢して頑張り過ぎたりすると、
その時の怒りや感情が心に溜まってしまって、
いざ、だんなが近づいて来た時にまったく受け入れられなくなった。
この様な話は結構多いです。
僕達の心は、助けて欲しいことを諦めようとしたり、
理解や優しさを求めることをずっと我慢し続けると、
心の中には、相手に対する怒りが蓄積されてしまいます。
もともと我慢という行為自体、怒りという感情を使っているわけです。
そして長い間我慢し続けると、自分で怒っていることすら気付かないこともありますよ。
自分で認識していても、無意識の中に封じ込めていたとしても、
結局は相手に怒りを持っているわけですから、相手のことを受け入れられませんよね。
もし、今この文章を読んで頂いている方で、相手を受け入れられないでいると言う方は、
自分が相手に対して怒りを抱えていないか、一度心の中を探って見てくださいね。
こんなふたりの関係では、表面上は上手くいってる場合でも、
心の中では絶えず喧嘩しています。
拒絶する側の心の状態は、
「私の求めることに何も答えてくれないのに(怒)」
受け入れてもらえない方も、
「SEXもさせてくれないのに(怒)」
結局、どちらもこの感情に陥っています。
すると
「あなたがこれをくれないのに 私は絶対与えない」
「お前がこれくれないないなら 俺も絶対与えない」
こんな心理的な喧嘩になってしまいます。
だけど少し考えてみてください。何で怒っているんだろう??
それは、お互い相手から欲しいものがあるのに与えてもらえないと言う、
寂しさや悲しさで心の中がいっぱいになっているのです。
大切な相手から欲しいものがあるのです。
そしてふたりのそんな気持ちを裏返して見ると、
「あなたがこれさえくれれば 私も・・・」
「お前がこれをしてくれれば 俺も・・・」
と、どこかで相手に与えたいという気持ちも持っているのです。
だとしたら!
どちらかが、怒ってないで何かを与え始めたら・・・
関係は変わっていくと思いませんか?
”怒り”が原因の場合。
まず、相手が何をずっと我慢してきたんだろう?何が欲しかったんだろう?
こんな目で相手を見てあげてください。
そしてまず、あなたから相手にそれを与えてみてあげてください。
ご夫婦のカウンセリングではよくする話ですが、
相手からもらいたいものがあるのならば・・・
先にあなたが彼や彼女に与えてあげる事からです。
そしたら”怒り”で滞った関係に必ず変化が現れます。
二人がお互いに、与え、受取り、甘え合えること。
夫婦もSEXも、まさにそれが”豊かな関係”ですよね。