~怒りの解放~



いつも平和で穏やかな生活を願っているのに、

時々、とてつもなく苦しい感情に振り回されてしまう瞬間があります。



夜、眠れなくなったり、

また朝が起きられなくなったり、

ご飯が食べられなくなったり、



忘れようとしても、気が付くと”その事”や”その人”の事ばかりが頭の中を支配していたり…



こんな時はまず、自分が、誰かに何かにすごく怒っていないか?

確かめて見る事をおすすめします。



「 えっ、私、怒ってる? 」



そんな質問を自分に投げかけて見るだけでいいのです。

自分が怒っている事をちゃんと認められる事ってとっても成熟さが必要です。

でも考えて見れば、怒って当然の事って周りの世界にいっぱいあります。



・マナーの悪い人

・無神経な奴

・人の気持ちが分からない人間

・自分のことしか考えられない人

・何も解ってないくせに出しゃばって来る奴 etc.etc.



書き出したら次から次へと止まらないです。

そうです、今書き出している僕の心の中にもたくさんの「 怒り 」があると言う事なのです。

あなたも、名前は書かなくていいので「 どんな人に怒りを感じる? 」と言うテーマで、

紙に書き出したり、今頭の中で「 どんな人 」なのかを思い浮かべて見てください。

結構自分の心の中にある「 怒り 」に気付けたりしますよ。



こんな風に僕たちの日常生活には、仕事をしていても、職場でも、道を歩いていても、

理不尽な事をされたり、怒りを感じる事って、たくさんあると思うのですね。



問題なのは、自分の怒りが間違っていたり、

怒りを感じる事がダメだと否定していまうと、

怒りという”エネルギー”は行き場所を失って、

あなたの心を苛んでしまうと言う事なのです。



これは何度も何度も書いている事ですが、

心が感じる感情に”正しい”も”間違い”も”おかしい”もありません。



例えば、



人通りの多いおしゃれな街を歩いていて、

あなたが何かに躓いて転びそうになったとするでしょう。

周りの人は無表情で、えっ?て私の方を見たとします。



・「ちぃっ」って道の段差を睨みつける。

・顔を真っ赤にしてそそくさとその場所から立ち去る。

・なんだかおかしくなって笑ってしまう。



さてどれが正解でどの反応が間違いですか?

「 怒り 」「 恥ずかしさ 」「 可笑しさ 」どの感情が正しいのでしょう?



間違いなんてありませんよね。

その時の状況、心境、気分でどれを感じてもおかしくはありません。



と同じ事で、あなたの出くわした状況やその人が、

間違っていても、正しかっても、悪い人でも、良い人でも、

また愛のある人であったとしても、

あなたが「 怒り 」を感じたなら、その「 怒り 」は間違った感情ではないのです。



「 あっ わたし怒ってんだ 」



と言って見てください。

それだけで心の中に「 怒り 」と言うエネルギーの”居場所”を作る事が出来ます。



そして怒りの居場所を作ってあげる事が出来たら、

次に少しだけ難易度が上がるのですが、

自分にその怒りを手放したいか?まだしばらく持ち続けていたいか?

聞いてあげてください。



正直になって見てくださいね。

もし、まだこの怒りは手放したくないって答えが返って来たら、

急ぐ事はありません。しばらくそのままにしてまた何日かしてから同じ事を聞いてあげましょう。



自分が怒っていると言う事を認める事が出来たり、

自分で怒っていてもいいんだと思える事が出来たでけでも、

心は落ち着いて来るし、少しずつ怒りも解放され始めます。



ただ、怒りを持ち続けていると、やっぱりふとした拍子にまた苦しくなったり、

誰かを攻撃したくなったり、また自分を攻撃したりもしてしまいます。



もうこの怒りは要らないって少しでも思える様になったら、

「 怒りを手放そう 」って決めてください。

手放すことを選択する事、「 手放したい 」と思う事が、

すごく大切な事です。



怒りを手放す方法はほかの文章でもいくつか紹介していますが、

その時の自分に合った方法をいろいろ使うのが良いでしょう。

「 もうこの怒りは要りません 」と心の中で宣言してから、



●両手でこぶしを作り、全身にありったけの力を入れて、

その怒りを誇張して身体全部で感じてください。

そして頭の上か、もしくは首の後ろから「 怒り 」のエネルギーが、

空や宇宙に解放されていくのを感じるのです。



●目を閉じて、私の全身にあるすべての怒りをひとつの塊にして、

神様や海に返すというイメージが上手く時もあります。



●また誰かに聞いてもらう事はもっともパワフルな方法です。

自分が怒っている気持ちを言葉にして口から吐き出す。

相手にはただ気持ちを聞いてほしいという事を先に伝えている方が、

相手も聴く準備が出来て上手くいくでしょう。



●もし、相手に怒っている事や今の状況が伝えられなかっても、

心を許せる人と、会話をしたり一緒の時間を過ごしたりして、

その人とつながりを感じる事だけでも、怒りは解消されて行きます。



あとは、自分の怒りという気持ちを当事者に伝える事も出来ます。

少し勇気の要る事ですが、場合によっては相手との誤解を解消出来たり、

また分かり合えなかった面を互いに理解し合える事も出来るかも知れません。



もちろん相手に対して怒りをぶつけるのでは、上手くいきません。

自分が怒りを感じている事を穏やかに伝える事も出来るし、

また怒りの下で感じている寂しい気持ちを伝える事も出来ます。



これはかなりの成熟さが必要になるかも知れませんが、

どんな言葉で何を伝えるかを決められなかったとしても、

その人と向き合おうとする事、会話しようとする事を決めるだけでも、

大きな大きな前進になると思います。



最後に、この文章を読んで思い出して欲しい事、それは、

僕たちは生きている限り「 怒り 」を感じる事はあると言う事。

それも結構頻繁に(笑)。



そして苦しくて眠れない夜を経験したり、

怒りが心から離れなくて七転八倒すしたりするのも、

決してあなただけの経験ではないと言う事も思い出してください。



みんないっしょなのです。



よしはらなおと【プロフィール】 
吉原直人 
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。

自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。

● 吉原の詳しいプロフィールはこちら>>

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