「夫婦は同じチームの仲間なんや。”チームメイト”なんや」
離婚が決まった後、通っていたカウンセリングの学校で先生がよく口にしていた言葉。
離婚直後でもそれほど抵抗感を感じることもなく、でも、それほど共感を感じることも無かった。
ただ”チームメイト”という『音』だけは、なんとなく、心ではなく記憶に残っていた様に思う・・・
再婚して20年になる最近、この”チームメイト”という言葉が記憶から出て来て、あらためて意味を考える。
そんな”時間”がときどきある。
チームという響きからは、仲間の成功や上手く行ったことがチームの勝利につながる。といった意味だろう。
夫婦に置き換えれば相手の成功や喜びが、夫婦として、また自分の幸せや喜びにつながる。と解したら良いのだろうか。
そもそも夫婦が相手のことを労り、成功や幸せを願う。
そのことをあらためて考える必要もなく、当たり前のこととして歩めている夫婦も多い。
でも、僕はちがう。
もともと生まれた環境も、夫婦の問題を抱えていたし、
自分自身も、相手のことをいつも応援し愛せていたなら別れたいとは言われなかっただろう。
誰かを愛せるようになることが、自分の人生のテーマであり学び続けることだとも思っている。
偉そう(笑)に書いたが要するに僕はまだまだ”出来ていない”のだ。
誰よりも相手の幸せを願い、健康を祈り、成功を心から応援する。
恋をしている時なら、
相手のことを強く想っている時だったら、
それはそれほど難しいことでも努力する様なことでもないだろう。
ただ、二人の歴史が進み相手のいろいろな面を知ったり、
また、裏切られたり、傷ついたり、我慢したり etc.
時に、相手の人生がうまく行くことを素直に応援できない時がある。
男として女として、お互い仕事をしている人間として、応援できないこと、成功を喜べない心の時もある。
嫉妬、やきもち、不安、寂しさ… etc.
きっとそんな時に思い出すべき言葉なのだろう。
”チームメイト”
でも相手のことを同じチームの仲間と感じることすら”難しい”と思う時もある。
自分の人生が思うように進んでいない時だからかも知れない。
自分が取り残されたり、置いてけぼりなってしまう。と感じてしまっている時なのかも知れない。
自分の一番親しき人の幸せを心から願えない・・・
そんな自分の気持ちを当たり前だと思う瞬間もある。
でもきっと、心の深いところではそんな自分を悲しいとも感じている。
そんな時、まず自分を責めないことだと僕は思っている。
誰でも経験することのある心の状態なのだから。
そして”チームメイト”という言葉を思い出す時があったなら、
少しだけ頑張って相手のことを応援して見る。
今日一日、相手が楽しく幸せで過ごせていたらいいなとだけ想像して見る。
きっとその人と一緒に過ごす時間は永遠ではない。
もしかすると、広大な宇宙を飛び交う星が一瞬だけ巡り合う。
夫婦とはそんな”一瞬”の出来事なのかも知れない。
そんなことを考えて見ても、なかなか応援する気持ちにはなれない時もある。
でも少しだけ勇気を出して、今日相手が楽しく過ごせていることを祈って見る。
相手が自分の人生から居なくなってしまう不安で心がいっぱいになるかも知れない。
でもあなたが相手の成功している姿を想像できたなら、
成功しても相手はあなたの心の世界から出ていく必要はない。
難しいと感じる時は無理をすることはない。
そのままの気持ちのままでいい。
でも”チームメイト”という言葉を思い出した時は少し頑張って、相手の成功を、うまく行くことを、幸せを喜びを、応援して見てほしい。
そして自分の心の中を少し覗いて見る。
相手の幸せを願うとき、相手の成功を応援するとき、相手がうまく行くことを祈るとき、
幸せになってもいいと、成功してもいいと、そう感じられる様になっているのは、本当は自分の”心”の方なのだ。
相手に自由をあたえ応援する時、心が放たれ自由になれているのは、本当は”あなた自身”なのだ。
【プロフィール】
吉 原 直 人
1967年12月6日生まれ。いて座。A型。
自分自身が抱えた離婚問題をきっかけに心理学、カウンセリングの世界へ入っていく。
子供の頃の生い立ちや自分の心とじっくりと向き合い癒しを経験する。
その後カウンセラーとして、夫婦関係をはじめ、子育て、恋愛、様々な問題をサポート。
優しいく包み込む様に行われるカウンセリングは、心を癒し自然にその人本来の姿に戻していく。