今 僕達の周りに ある もの
今 僕達の周りに ない もの
自分の目をどちらに向けるかで、心の状態は変わります。
「無いもの」 時間の余裕、お金の余裕、パートナーの思いやり・・
無いものに目を向けると、たちまち心は乱れ荒れてきます。
「有るもの」 仕事、食べ物を買えるお金、毎日傍にいる家族・・
有るものに目を向けると、自然と心は落ち着き感謝の気持ちがでてきます。
「 感 謝 」
この言葉。
僕は、物心ついたころからよくよく知っています。
人に物をもらったら「ありがとう」って言いなさい。
人に優しくしてもらったら「ありがとう」って思うのよ。
ほんの小さい頃からずっと教わってきた言葉です。
僕の人生でこの ”感謝” という言葉を、
痛烈に思い知らされた瞬間がありました。
妻が子供を連れて出て行ってしまった そんな日・・・
僕は、仕事も何も手につかず。
なんとか心を、平静にたもとうとあらゆる本を読み漁っていました。
そこに書かれていた言葉・・・
「 今、あなたの周りにあるもの全てに感謝しなさい 」
・・・今の僕のまわりに何があるって言うんだ。
中身が全部ぬきとられて、何も入ってない洋服ダンス。
もう家族と一緒に見ることの出来ないテレビ。
二度と家族とともに囲むことのないテーブル。
もう二度と子供と遊ぶことが出来ない、
部屋にひとつだけ忘れられたおもちゃ。
いったい今の僕は、何に、何を、どれを、感謝しろと言うんだ!!
そんな怒りとともに、本を投げ捨てた僕・・・
何一つ変わってなかったんですよね。
家族がいなくなる前の僕と。
家族を充分楽しませてあげられないお金。
いくら愛してもらっても充分だと感じられない妻からの愛情。
必死に頑張っても周りに認めてもらえない事。
ずっと、ずっと、ずっと長い長い間、
無いものばかり、無いものしか見ていなかった自分。
「 感 謝 」
そんなありきたりな事が、本当に難しく思える時があります。
今、僕は時々目をつぶって、こんなイメージをしてみます。
真っ暗闇の中に、僕の意識だけがあります。
光はなく・・・
音も無く・・・
暖かさもなく・・・
もちろんそれを感じる身体もない・・・
ただ僕の意識しかない世界。
そんな世界を感じてみます。
何もない世界でしばらく過ごしてみます。
そして、しばらくして静かに目を開けて見ます。
目の前にあるスタンドの光りを感じます。
ずっと遠くから送られてくる電気というエネルギーのことを考えて見ます。
今僕を支えくれている椅子に意識を向けて見ます。
今自分の周りにある机、パソコン、電話、すべての物を見てみます。
すべて僕の周りに存在してくれている物です。
隣の部屋に意識を向けて見れば、
結婚して年月を重ねるたびに偉そうになる妻が、
でもどこか優しい妻が寝息をたてています。
その横には、ますます偉そうに振舞う息子が、
これまた寝息をたてています。
そして、しょっちゅうヒヤリとさせられるけれど、多少はあるお金。
時には焦りを感じさせてくれるけれど、確かに存在する時間。
意識を広めてみれば、
僕のことを応援してくれている人たち。
僕のことを信頼してくれている人たち。
こんな長い文章をくじけずに読んでくれているあなた。”ありがとう”
すべて、今僕にあるものです。
今、僕の周りに存在してくれているのです。
今、あなたの周りにあるものに目を向けてください。
そして、それを感じる事の出来るあなた自身を見て下さい。
考え、悩み、感じる事の出来るあなたの存在を見て下さい。
あなたも僕も今ここに確かに”有る”のです。
あなたも僕も今ここに間違いなく”存在”するのです。
たくさんたくさんの存在に囲まれながら・・・”ありがとう”
「 感 謝 」
あの頃投げ捨てた本にこんなことも書かれていました。
「 今あるもの それを感じ心から感謝できたなら
必ず 必ず 必ず それは 増え続けていくと・・・ 」